伊達源一郎鳥類コレクション標本の見学ツアー

私の小学校校区出身に、伊達源一郎という方がおられた。

明治7年に生まれる。新聞社に入り、後に国民新聞社長、ジャパンタイムズ社長となり大活躍。昭和21年に島根新聞(現在の山陰中央新報)の社長となり、翌年第1回参議院議員に当選。昭和26年サンフランシスコ講和会議に、吉田茂首相の要請で全権委員代理として出席。主に各国新聞報道関係を担当。昭和33年松江市名誉市民。

趣味として、鳥の研究、標本収集をされており、世界各地で捕獲された1600点以上の標本が「伊達コレクション」として、島根県立三瓶自然館サヒメルに保管されている。

今回、地域の人たちとともにバス2台で、見学ツアーに出かけた。


サヒメルに到着。サヒメル(リンク)
後方には三瓶山。


サヒメルに入り、今回、特別に標本を並べていただいた部屋に入って、標本を見る。
昆虫標本のように、鳥を並べて箱に入れてある。
100年近く前の標本であるのに、非常に状態が良い。
羽毛がふさふさしており、死んだ直後のようにしか見えなかった。











その他の写真
http://pics.livedoor.com/u/suppy/album/176486

学芸員さんの話によると、伊達さんは部屋の壁や窓に絨毯を貼り付けて保管していたそうだ。


今、このような標本をつくることはほぼ不可能であろう。
まず、鳥を捕獲することができない。

安来市のCATV「どじょっこテレビ」も取材に来ていた。
(結構、映っておりました)


次は場所を移動して昼食。
その後、三瓶小豆原埋没林の見学である。
(つづく)


伊達源一郎翁頌徳碑について
地区の交流センター(公民館)前に伊達源一郎氏の石碑がある。
小さい頃、よく上がって遊んでいた。


石碑には、吉田茂の筆跡の碑銘がある。


碑に書かれている文章は以下の通り。

伊達源一郎翁頌徳文
翁ハ奥州ノ名族 伊達安藝宗重後裔ニシテ明治七年三月十五日能義郡井尻村ニ生レ幼少既ニ資質ニ勝レ進ンデ同志社ニ学ビ徳富蘇峯ニヨツテ国民新聞社員トナル後 牧野伸顕知遇ヲ得テ能ク外国通信ノ舞台ニ活躍スルコト多年東方通信新聞連合国民新聞ジヤパンタイムズノ各社長ヲ歴任シタガ其間巴里講和会議ニ特派員タル外数次ニ亘ツテ支那大陸並ニ欧米ニ遊ビ世界ノ最高知識ト交ツテ自由報道ニ力ヲ盡シタ 第二次大戦に当ツテ郷里ニ疎開シ島根新聞社長ニ就任シ又参議院議員ニ当選スルヤ サンフランシスコ講和会議ニ出席 世界平和の確立に努メタ又松江市ニ名誉市民制成ルヤ第一次推薦ノ栄誉ニ浴シタ翁ハ実ニ過去六十年ノ長キニ亘リ終始一貫世界ノ平和ヲ愛シ国民文化ノ進展ニ努メタ 我国新聞報道界ノ最長老デアル翁ハ又天性鳥ヲ愛シ其剥製収集ハ天下ニ有名デアルガ今ヤ八十五歳ノ長寿ヲ迎ヱ松江市宍道湖畔ニ寓居シテ湖上ニ飛来スル白鳥ノ保護ニ余生ヲ捧ゲツツアルハ世人の等シク感謝スルトコロデアル 今度郷人相謀ツテ碑ヲ其旧邸内ニ建テテ永ク其徳ヲ伝ヱントスルニ当リ謹ンデ其由ヲ書キ以テ記念トスル
昭和三十四年秋
島根県知事  田部長右衛門書
島根新聞社長 木幡吹月撰文

その他の写真
http://pics.livedoor.com/u/suppy/album/176487

ふるさと「井尻」点描(リンク)