地図の上を歩き日本一周

松江市総合体育館で行われている『完全復元伊能図展』に行ってきた。
完全復元伊能図展

まずは体育館2階の観客席からフロアに並べられている地図を見る。
伊能図全景

体育館には入りきらず、北海道は、ずらして展示されている。

早速フロアに降りて、まずは島根県から山口県方向へ地図上を歩きながら日本一周に出発。九州を一周し、山陽を歩き、四国を回り、太平洋に出て、東海道を江戸へ。江戸から仙台、青森と進み、今度は南下。新潟、能登半島を回り、若狭湾を通って、鳥取県島根県に到着。そこから北海道へ移り、室蘭あたりから左回りに一周した。

屋久島から東北方面を眺める
屋久島から東北方面を眺める

富士山付近
富士山付近

名古屋付近
名古屋付近

京都付近
京都付近

伊勢神宮付近
伊勢神宮付近

姫路城付近
姫路城付近

瀬戸内海の島々や、東北のリアス式海岸などが詳細に測量されている。
瀬戸内海の島々
瀬戸内海(上が広島市)

地図上には赤い☆マークが描かれている地点があるが、ここで天文観測をしたとのこと。
☆マーク(志摩付近)

宍道湖は「完道湖」と描かれていた。「完」は「宍」の異体字らしい。
完道湖??

松江市付近
松江市付近

出雲市付近
出雲市付近

松江付近は常に数人の人がいた。

国後島の横には、掛け算が書かれていた。
クナシリ島の横に書かれていた掛け算


『伊能中図』と『伊能小図』も展示されている。
写真手前が『伊能中図』、奥が『伊能小図』である。
『伊能中図』と『伊能小図』

『伊能中図』の富士山付近
『伊能中図』の富士山付近

富士山頂上から放射線状に赤い線が描かれているが、この赤い線の先の地点が、富士山が見えた場所を表している。赤い線を追ってみると、北は宇都宮、中山峠、小諸、西は三重県の志摩付近(!)まで描かれていた。
当時はそれだけ空気が澄んでいたということか。

『伊能小図』には対馬から見える朝鮮半島の山も描かれている。
『伊能小図』の対馬と朝鮮半島

観測器具も置かれていた。

途方もない作業である。

これだけの大プロジェクトを成功させた伊能忠敬
パネルの一つに、伊能忠敬は次の条件を備えた人だったという説明があった。
1.リーダーシップ
2.交渉力・政治力
3.根気強さときちょうめんさ
4.財産
 1〜4の条件は、すべて、生涯の経験から身につけたもの

4の財産については、測量道具は自分で用意するなどしたそうである。


気が付けば、見始めてからすでに2時間を超えていた。
地図好きの私にとっては、まだまだ見たいところがあったのだが、また、別の機会にするとしよう。