「大人の社会科見学 雲南・奥出雲コース」に参加

6月18日、「大人の社会科見学」に参加した。
「モノづくり」の秘密に迫る 雲南・奥出雲コース。
大人の社会科見学

今回は、津和野から安来までに住む参加者25名ほど。

見学先は以下の通り。

・玉作湯神社「願い石」で話題のパワースポット
・仁多産業(リーバイス・ビッグジョン等ジーンズ加工)
・(砂の器記念碑)
・奥出雲酒蔵
・奥出雲交流館(昼食)
・雲州そろばん伝統産業会館
・田園倶楽部奥出雲(高糖度フルーツトマト)
・加地(多機能EXGEL)


当日は雨模様。
松江駅南口を出発し、玉作湯神社へ向かう。

玉作湯神社

玉作湯神社 本殿

玉作湯神社

玉作湯神社

玉作湯神社では、宮司の遠藤さん(90歳)にお祓いをしていただき、勾玉の説明をしていただいた。勾玉は3つの玉で構成され、形は太陽神を表す「丸玉」と月神を表す「曲玉」を合わせたもので、「管玉」は継ぐ意味合いを持っているそうだ。

境内には「願い石」が祀られており、願掛けをすることができる。
玉作湯神社 願い石

玉作湯神社 願い石

雨にも関わらず、数組の男女がお参りに来ていた。
玉作湯神社


次は仁多産業。
川西社長に、会社の沿革、会社で使用している技術について説明していただき、そのあと工場見学。

ここでの見学は、ジーンズに対する私の常識を覆すものであり、衝撃的なものであった。
例えば、お店で穴が開いたジーンズが売られているが、穴のあける場所は、事前にデザインしたサンプルにしたがって同じ場所に穴を開けられている。ジーンズのシワも、見本を見ながら同じ位置につけていく。
縫製されたただのジーンズに、自社の技術を使って、削ったり、穴を開けたり、洗ったり、シワをつけたりして、デザインしたサンプルにしたがって製品をつくる。
半年から一年先に流行するデザインを企画し、技術を使って製品化しているそうだ。

ホームページ
ようこそ 株式会社 仁多産業です
http://www.nitasun.co.jp/


砂の器記念碑は、バスの中から見ながら通過。

次は、奥出雲酒蔵。
工場内を杜氏のモリイさんに案内していただく。
奥出雲酒蔵

ここでは一度に1200kgの米を使用して酒造りが行われるそうで、力仕事にあたる設備は近代化されている。
見学後は試飲。ただ私は帰りは車なので断念。

昼食は、奥出雲酒蔵横の奥出雲交流館にて、「奥出雲和牛スキコロ弁当」を食す。
このお弁当は、地元の一市二町から募集した「地産地消弁当コンテスト」で最優秀賞を獲得したもの。
奥出雲和牛スキコロ弁当

すき焼きが入っているコロッケがメインのおかず。
左上のシールの下にあるのは、薄切りトマトとトマトケチャップ。


弁当をおいしくいただいた後は、交流館にてお土産を物色。
2010年のインターナショナルワインチャレンジでBRONZEを受賞した「大吟醸 仁多米 改良八反流」と、井上醤油店の醤油を使用したせんべいを購入。
井上醤油店は、奥出雲町にある、慶応3年(1867年)創業の醤油店。
ホームページ
酒蔵奥出雲交流館
http://www.okuizumosyuzou.com/

奥出雲で頑なに古式醸造を続けている(有)井上醤油店
http://inoue-shoyu.jp/


次は出雲横田駅すぐそばにある、雲州そろばん伝統産業会館。
ここでは、そろばんを形成する部材やその部材を作る道具、世界のそろばんなどが展示されている。
吉田光由『塵劫記』も展示されていた!
そろばんは、早く計算する必要があるため、珠がなめらかに動くように、精度の良いものが要求される。
道具を工夫して改良していくことで、高度な技術が実現されている。ただ、職人さんの経験と勘も重要である。

そろばんの制作現場も見せていただいた。
雲州算盤職・名工 石原長雲さんの仕事場。
雲州算盤職・名工 石原長雲さんの仕事場

ここでは面白いそろばんをみせていただいた。
一つは、折り畳みできるそろばん。のり巻きのようにぐるぐる巻きにして持ち運べるもの。
もう一つは、ボタン一つで五の珠すべてが持ち上がるもの。
そろばんといえば、「ご破算で願いましては」という言葉で、五の珠をはじいて計算の準備をするが、この五の珠をはじく動作をボタン一つでできるものである。
珠算検定などで少しでも時間を節約するための工夫である。

ホームページ
雲州そろばん伝統産業会館
http://fish.miracle.ne.jp/us88/kaikan.html


さて、次は、高糖度のフルーツトマトを栽培している田園倶楽部奥出雲。
ここを楽しみにされている女性参加者が多いようだった。

細い山道を上っていき、視野が開けたところに、巨大なハウスが建っていた。
田園倶楽部奥出雲(高糖度フルーツトマト)

景山社長にハウス内を案内していただいた。
ここの地域は雪が多いので、雪対策を十分考慮したハウスとなっている。
なお、ここにハウスを作る際、過去30年の気象データを調べたそうだ。
設立してから4年。前例がないので「日々勉強だ」と景山社長は言われていた。

ハウスの見学後は、トマトの試食。
糖度の異なる4種類のトマトを食べる。
一番甘いトマトとして置かれていたものの糖度は10度以上。
「うわっ、あま!!」という甘さであった。

隣の直売所で、かご売りされている「赤景」という糖度9度以上のトマトを購入。
規格外の商品であるが、1kg1,000円。

ホームページ
高糖度フルーツトマト 田園倶楽部奥出雲 - 奥出雲トマト
http://denoku.com/htdocs/index.php


ハウスの入口には「門番」というシャッターが設置されていた。
これは、小松電機産業株式会社の製品。
本社は松江市乃木福富町だった。
ホームページ
高速シートシャッター門番シリーズ
http://www.komatsuelec.co.jp/komatsuelec/Products/monban/monbanmainset.html



最後の見学地は、加地。
衝撃吸収素材のエクスジェルを使用した商品を製造されている。
チャイルドシートや、エステのベッドでうつ伏せになるときに使う顔の下に置くクッション、車いす用クッションなど、「身の回りで体に触れるものの中には、必ずエクスジェルを使用した製品があるでしょう」とのこと。
家電量販店で見かけ、欲しいなあと思っていたマウスパッドも製造されていた。

工場内には、企業理念やスローガンなどが貼られていた。
企業理念はホームページにも書かれているが、キーワードは次の4つ。
「信頼」「誇り」「夢」「挑戦」

ホームページ
EXGEL エクスジェル 株式会社 加地
http://www.kaji-web.co.jp/index.php


以上で見学は終了。
松江駅南口で解散。

奥出雲には、他にもまだまだ貴重な「モノ」がありそうだ。



さて、今回、バスの中でお隣の席の方は、前回の「たたら満喫コース」にも参加されていた方だった。私の顔を覚えておられたようで、声をかけていただいた。おかげでバスの中でもいろいろなお話ができ、楽しく過ごすことができた。


いろいろな出会い・発見があり、大変有意義な見学旅行であった。